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第9回「武蔵の国そば打ち名人戦」開催! 第9代名人は北海道・小島裕樹氏!
投稿者 : sobashogun 投稿日時: 2022-11-01 13:13:44

 10月29日、そば塾彩蕎庵「全国ご当地そば伝統継承・推進協議会」主催「武蔵の国そば打ち名人戦」が志学会高等学校(埼玉・北葛飾郡)にて開催された。本大会は有名なソバの産地に囲まれた「武蔵の国」で、そばを「うまく食す」ための卓越したそば打ち技術を身に付けた人達が競い、名人を決定するもの。大会委員長は武蔵の国そば打ち名人戦2代名人である小川喜久次氏。審査委員長は江戸ソバリエ協会認定委員長のほしひかる氏。競技審査委員は全日本素人そば生粉打ち6代名人・信州そば打ち名人戦2代名人の安田武司氏、全日本素人そば打ち17代名人の平松一馬氏、全日本素人そば打ち23代名人・武蔵の国そば打ち名人戦初代名人の仲山徹氏、全麺協6段位の横田節子氏、そして大会委員長の小川氏の6名。食味審査は前述の6名に一般審査委員4名を加えた計10名で行われた。9回目となる今大会には男性23名、女性3名の計26名が参加。北海道から大阪府まで全国からそば打ち愛好家が集結した。朝8時から受付開始され、9時より開会式、続いて予選、決勝が行われた。

 予選は水まわしから、こね、延し、切り、そして片付けまでの工程が審査される。競技者は3組に分かれ、45分の制限時間の中で、各自が持参したソバ粉を用いてそば打ちを行った。本大会は「美味いそばを打つ」がテーマになっており、ソバ粉の選定も評価対象となる。
 審査の結果、予選を通過し決勝に進出したのは、埼玉県・金子明宏氏、栃木県・市川宗信氏、福島県・小山美香氏、大阪府・大内卓氏、千葉県・馬場兼雄氏、北海道・小島裕樹氏の6名。
 決勝進出者発表後に行われたのは名人達によるそば打ちの実演。4代名人前田幸彦氏、6代名人掛札久美子氏、7代名人小林秀美氏、8代名人渡部結花氏の4名がデモンストレーションを行った。参加者達は時には質問をしながら、名人の技術を盗まんと見つめていた。ちなみに4氏とも11月6日に福井県で開催される「第27回全日本素人そば打ち名人大会」本戦への参加が決定している。過去には前田氏と掛札氏は準名人、渡部氏は努力賞に輝いており、また審査委員を務めた武蔵の国そば打ち名人戦初代名人の仲山徹氏は23代名人である。こうした点からも本大会のレベルの高さが窺えるだろう。
 競技の緊張感から解放されたこともあり実演会場は和やかな雰囲気で包まれていたが、そことは打って変わり緊張が高まっていたのは、同時刻に行われていた決勝審査の会場。競技者が待機する廊下の空気まで張り詰めていた。決勝で行われるのは「茹で・食味審査」。審査は1人ずつ行うため、静寂の中でそばの投入方法、かき混ぜ方等、競技者の一挙手一投足に全審査員の視線が注がれた。本大会で求められるのは美味しいそば。審査員達が味を審査する様子を神にも祈るような思いで見つめていた。
 
 全競技終了後、閉会式にて競技審査委員の安田武司氏は総評として「多加水だと水っぽくなり角が立ったそばになりにくいということ、厚さを均一にするためにはそばを延す時の手の位置が重要であること、粉によって練り方も延し方も変わるということ、四つだしの際に角と辺をなるべく同じ厚さにするためには生地で一番薄い部分に合わせること、延す前に綺麗な形にまとめること、以上の5点を更なる上達のために意識してほしい」と述べた。
 そして、最終結果は審査委員長のほしひかる氏によって発表された。厳正な審査の結果、9代名人に選ばれたのは北海道・小島裕樹氏。準名人には大阪府・大内卓氏と千葉県・馬場兼雄氏、努力賞には埼玉県・金子明宏氏と栃木県・市川宗信氏が選出された。小島氏は前回大会では惜しくも準名人だったが、今大会では見事に念願の名人に輝いた。新名人には賞状、名人認定書、埼玉県知事賞、記念ポロシャツが授与された。
 今回で9回目を迎えた本大会。会場では参加者同士で交流し意見交換する場面も目立った。大会は研鑽の成果を披露する場としてだけでなく、同好の士との切磋琢磨のための場としても非常に重要なものになっている。次回は記念すべき第10回大会。そば打ちに自信がある方、より上達したいと思っている方はぜひ参加してみてほしい。






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