3月19日、第6回全日本･食サミットが大阪のハグミュージアム(大阪ガス)で開催された。主催は(一社)全日本･食学会。開会式で村田吉弘理事長(｢菊乃井｣3代目主人)は「現代はSDGsやCO2や後継者問題が喫緊の課題であることは皆が認めることだと思いますが、食の世界でこの問題と向き合ったのは、この全日本･食学会の『食サミット』が最初です。これからは勉強する料理人が食の世界を変えていく時代だと思います」と述べた。
　今回のサミットは｢REBORN｣をテーマに10のプログラムが設けられていた。なかでも盛況だったのが｢植物性“超”動物感〜油脂とたん白がおりなす味覚革命〜｣。私達が動物性食品に満足している原因は、動物性の油脂とたん白にある。では、それを植物性油脂と大豆たん白にしたらどうなるか。それではやはり物足りないのである。そこで、不二製油は植物性油脂と大豆たん白に｢肉らしい風味｣を加えるための技術開発を行い、この独自技術を｢MIRA CORE｣と名付けた。これはジュレ状のもので、濃度は用途によって様々。サミットでは、｢MIRA CORE｣を使ったそばつゆ、ラーメンのスープ、料理のソースが試食提供された。そばつゆは江戸そばの老舗｢更科堀井｣の堀井良教氏､ラーメン･スープは塩ラーメン｢龍旗信｣の松原龍司氏､料理のソースは｢ONODERA GROUP｣の杉浦仁志氏が調理して供された。そばつゆは鰹出汁を使わず、「更科堀井」の返しに｢MIRA CORE｣を加えて作られていたが、実際に味わっても味に遜色はない。いわゆるビーガンの発想で、講座の演題通りの味覚革命が始まろうとしているようである｡