一般社団法人全麺協(理事長:中谷信一)では、これまで全麺協そば打ち段位制度で五段位を最高段位としていたが、五段位認定者が200名に上ってきたところから、平成29年に新たに六段位(蕎士)、七段位(師範)、八段位(大師範)を創設した。ついては、その運用要綱に従い、令和2年に「第1回そば道六段位認定選考会」、令和4年に「第2回そば道六段位認定選考会」、令和5年に「第3回そば道六段位認定選考会」「第1回そば道七段位認定選考会」が実施された。
続いて、令和6年3月16日に「第2回そば道七段位認定選考会」、17日に「第4回そば道六段位認定選考会」が麺業会館(東京・千代田区)にて行われた。七段位認定選考会は面接審査(審査委員長:加藤憲)のみとなっており、第2回目の選考会には2名が受験。2名とも全麺協の幹部であることから、これからの全麺協がどうあるべきか等について、熱意の込もった発表がなされ、2名が合格した。これにより七段位(師範)は第1回目と合計して3名になった。なお八段位(大師範)認定選考会はまだ実施されていないため、現在のところ七段位3名(加藤憲氏・板倉敏和氏・山本良明氏)が全麺協における最高段位となる。また、六段位認定選考会は技能審査と面接審査で行われることになっている。第4回目の選考会は、全国から自薦・他薦で集まった受験者15名(女性2名、男性13名)が、一組5名の三組にわかれて技能審査(審査委員長:鵜飼良平)・面接審査(審査委員長:板倉敏和)を実施した。六段位技能審査はそば粉1kgつなぎ粉200g計1.2kg、制限時間50分。面接審査のテーマは[1]六段位としての心構えと、[2]そば道憲章をどのように理解しているかを約12分で述べた。なお全麺協が現在、重要テーマとしている【そば道憲章】は次の通りである。
一.私たちは、そば打ち技術を会得しその奥義を極めます。
一.私たちは、そばの歴史と文化を学び次世代へと継承します。
一.私たちは、そば打ちを通じて五感を磨き想像力を高めます。
一.私たちは、もてなしの心を育み出会いと喜びに感謝します。
一.私たちは、そば打ちを広め仲間とともに地域づくりに努めます。
一.私たちのそば道は 礼に始まり礼に終わります。
以上の技能・面接審査の結果、14名が晴れて六段位となり、第1〜4回の六段位合計は47名となった。
閉会式では、鵜飼良平技能審査委員長が、これからもさらに精進して腕を磨き、六段位の名に恥じないようにと叱咤され、また板倉敏和面接審査委員長は日本の蕎麦切を世界中へ広げてほしいと激励された。
選考会終了後、東京ドームホテルにおいて、受験者、審査員、運営スタッフらとの懇親会が催され、次回認定選考会の開催を期待して中締めとなった。