11月8〜10日、一般社団法人全麺協が東京・台東区の全麺協研修センター、食品衛生センターにて「第11回そば道五段位認定 本審査会」を実施し、全国各地から集った110名の受験者達が意見発表審査(面接)および技能審査に臨み、54名が見事、五段位に認定された。
全麺協では、そば打ち技術の向上を「仲間づくり」「地域づくり」に繋げ、品格ある「自分づくり」まで高めて、社会に貢献することを目的に段位認定制度を体系化している。現在は初段位から八段位までがあり、段位認定者は全国で1万5千人を超えるまでに拡大。今回、本審査会が行われた五段位は「人前でそば打ちを披露でき、人格に優れ、そばの普及に貢献した実績を持つとともに、ソバの栽培、歴史・文化、健康効果等、そば全般に精通し、日本の伝統食としてそばの紹介ができる」という力量の目安が設定されている。
9日には、食品衛生センター6階講堂にて技能審査に先立ち開会式が挙行され、全麺協の中谷信一理事長(下写真)や、後援する台東区の服部征夫区長らが挨拶。中谷氏は「これまで231名の方が五段位を取得され、それぞれの地域でそば打ちの指導にあたっています。技能審査ではあまり緊張せずにそば打ちを楽しみ、他の受験者の皆さんとの出会いを契機として、今後も幅広い交流を重ねてください」と呼びかけ、服部区長は「全麺協の皆さんには、日頃から日本を代表する食文化の1つである『そば』を生かした地域振興、普及・継承活動等に熱意を持って取り組まれていることに心から敬意を表します。受験者の皆さんには、今後とも伝統ある文化の継承者として活躍されることを期待します」と激励した。
開会式後、中谷氏は『蕎麦春秋』の取材に対し、2023年、全麺協が設立30周年を迎えたことを踏まえ、「日本の伝統ある『和食』の1つである『そば』の文化を広げたいという思いで取り組んできました。いま、モンゴル等、海外に出向いてそば打ち技術を指導する活動もしていますが、25年10月には、初めての試みとして『世界手打ちそば名人グランプリ』を開催したいと考えています。今後もそばの魅力を多くの方に知ってもらえるよう頑張ってまいります」と抱負を語った。