第6回「武蔵の国そば打ち名人戦」開催! 第6代名人は掛札久美子氏!
投稿日時 2018-12-11 11:51:00 | カテゴリ: 最新ニュース一覧
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十月二十七日、第六回「武蔵の国そば打ち名人戦」が志学会高等学校(埼玉・北葛飾郡)にて開催された。大会委員長は、武蔵の国そば打ち名人戦の二代名人である小川喜久次氏。審査委員長は江戸ソバリエ協会認定委員長のほしひかる氏。競技審査委員は、全麺協東日本支部長・そばネット埼玉代表理事の阿部成男氏、そば塾「彩蕎庵」塾長の安田武司氏、全日本そば打ち十五代名人の折笠政弘氏、全日本そば打ち十七代名人の平松一馬氏、全麺協五段位の横田節子氏、武蔵の国そば打ち名人戦初代名人の仲山徹氏の七名。食味審査委員は前述の競技審査委員七名に加え、一般審査委員三名の計十名。解説は武蔵の国そば打ち名人戦四代名人の前田幸彦氏だった。 本大会は、有名なそばの産地に囲まれた「武蔵の国」(埼玉県)で、そばをうまく食すための技術、卓越したそば打ち技術を身に付けた者達が競い、名人を決定するものだ。予選では「そば打ちの実技」、決勝は「茹で・食味審査」を行った。 今回の出場者は三十六名。予選は三組に分けて行われた。四十五分という制限時間の中で、各々がこれまで磨き上げてきたそば打ちの技術を披露した。 午前の予選が終わると、昼休憩を挟んで、前田幸彦氏、原秀夫氏、西川朋子氏という三名の達人によるそば打ちのデモンストレーションが行われた。大会の出場者達は技を盗まんと真剣な眼差しで見つめていた。 三十六名の参加者の中から、予選を突破したのは九名。決勝の「茹で・食味審査」は、出来上がったそばの味だけではなく、茹での工程も審査対象。適切なお湯の量と温度、そばの投入方法、かき混ぜ方等、あらゆる面で審査員達が目を光らせた。 審査の結果、第六代名人位に掛札久美子氏(茨城県) 。準名人位に渡辺結花氏(兵庫県) 、篠崎正夫氏(埼玉県)の二名。努力賞に大内卓氏(大阪府)と米田千鶴氏(埼玉県)が選ばれた。また、名人位の掛札氏には「埼玉県知事賞」も授与された。 大会の最後には阿部成男氏より講評があり、「本大会は『名人戦』。この意味するところは、名人の方が集まって競う、名人の中の名人を決める大会。皆さんが名人です。今日、皆さんの腕前を見てそう思いました。そういうつもりでこれからものびのびとそばを打っていただきたいです」と参加者を労った。 今回名人位に輝いた掛札久美子氏は、昨年は都合が合わず同大会に出場しなかったものの、第三、四回大会でも準名人位を受賞している実力者。今回そばを打つために持参したソバ粉は、いつも食べに行っているおそば屋さんから譲ってもらったとのこと。「そのおそば屋さん曰く、直前に挽いた方が甘みが出るとのことで、手元にソバ粉が届いたのは大会前日でした。二回だけ練習して今回の大会に挑みました」とのこと。 掛札氏はそば打ちを始めて十五年。茨城そばの会に勤めており、そば打ちに興味はなかったが、みんながそばを打つ様子を見ていたら、自分も始めてみたくなったのだという。それ以来そば打ちに熱中。自宅の一室を改装して、そば打ちを練習する部屋にしているのだという。仕事終わりに毎日二回は必ず打つ。「再来週には福井での大会が控えているので、これからも練習の日々です」と語った。 審査委員の安田武司氏は、「今回の出場者は三十六名。女性の参加も増えており、年齢層も若くなっている。これからもより多くの方々に参加していただける大会にしたい」と今後の同大会運営における抱負を語った。また、掛札さんが優勝した要因を「実力は拮抗していた。掛札さんのそばが一番茹で方の具合がよく、甘みもあった」と述べた。甘みを出すために直前に挽いたソバ粉を取り寄せた掛札氏。そのそば打ちへの執念が栄冠へと導いたとは、なんともドラマチックな結末である。
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