第11回「武蔵の国そば打ち名人戦」と「蕎王戦」が開催!
投稿日時 2024-11-22 04:26:20 | カテゴリ: 最新ニュース一覧
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11月16日、そば塾彩蕎庵「全国ご当地そば伝統継承・推進協議会」主催「武蔵の国そば打ち名人戦」と「蕎王戦」が開催され、会場である志学会高等学校(埼玉・北葛飾郡)には50人を超える人が集まった。 「武蔵の国そば打ち名人戦」は有名なソバの産地に囲まれた「武蔵の国」で、そばを「うまく食す」ための卓越したそば打ち技術を身に付けた人達が競い、名人を決定するもの。「蕎王戦」は歴代の「武蔵の国そば打ち名人」による名人戦だ。 大会委員長は「武蔵の国そば打ち名人戦」2代名人である小川喜久次氏。審査委員長は江戸ソバリエ協会認定委員長のほしひかる氏。審査委員は全日本素人そば生粉打ち6代名人・信州そば打ち名人戦2代名人の安田武司氏、全日本そば打ち17代名人の平松一馬氏、全麺協6段位の横田節子氏、同じく6段位の西川朋子氏が務めた。 「武蔵の国そば打ち名人戦」には計23名が参加。予選は水回しから、こね、延し、切り、そして片付けまでの工程が審査される。競技者は3組に別れ、45分の制限時間の中で、各自が持参したソバ粉を用いてそば打ちを行った。本大会は「美味いそばを打つ」がテーマになっており、ソバ粉の選定も評価対象となる。 審査の結果、埼玉県・米田千鶴氏、千葉県・馬場兼雄氏、埼玉県・村越啓子氏、千葉県・篠崎正夫氏、東京都・岩崎秀樹氏、栃木県・谷原準一朗氏の6名が決勝進出となった。 予選の後には、歴代名人達による「蕎王戦」が行われた。参加者は初代名人・仲山徹氏、2代名人・小川喜久次氏、5代名人・原秀夫氏、6代名人・掛札久美子氏、7代名人・小林秀美氏、9代名人・小島裕樹氏、10代名人・大内卓氏の7名。「蕎王戦」では、更科系の粉が三割、超粗挽きが一割入った、粘りがなく切れやすい、難易度の高いソバ粉が使用された。それでも参加者達は、流石の手つきで作業を進め、40分過ぎには全ての参加者がそば打ちから片付けまでの作業を完了させていた。終了後は打ち上がったそばに観客が集まり、名人達の見事な技術に感嘆の声が上がった。
続いて行われたのが、「武蔵の国そば打ち名人戦」決勝の「茹で・食味審査」。審査は1人ずつ行うため、静寂の中でそばの投入方法、かき混ぜ方等、競技者の一挙手一投足に全審査員の視線が注がれており、会場には緊張感が漂っていた。
全競技終了後、閉会式にて審査委員長のほしひかる氏によって最終結果が発表された。「武蔵の国そば打ち名人戦」11代名人に選ばれたのは米田千鶴氏。審査について、審査員の安田氏は「微妙なところなのだが、重要視したのは、美味しそうな予感を感じさせるようなそば。たわいもないが、打ち粉がついていると茹でたときに釜を汚してしまう。(米田氏は)打ち粉がきちんと落ちており、それがなかった。光沢がある、切りが鋭利であるとか、出来上がった状況を一番重要視した」と述べた。新名人となった米田氏に優勝の秘訣を伺うと「生粉打ちだったので、美味しく粘りが出るように、いつもより踏み台を高くして上から圧を強くかけられるようにしたのがよかった」とのことだった。
そして、「蕎王戦」で蕎王に選ばれたのは仲山徹氏。仲山氏は全ての作業を一番手に完了させており、審査委員長のほし氏は「蕎王は欠点がない。貫禄がある」と述べた。 今回で11回目の開催となった「武蔵の国そば打ち名人戦」。そば打ちの技術も、参加者の熱も年々上がっているようだ。また、今回が初の本格的な開催となった「蕎王戦」はレベルの高い戦いとなった。今後の開催にも期待したい。
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