投稿者 : sobashogun 投稿日時: 2021-06-23 17:57:35

『はなの味ごよみ』 (KADOKAWA)シリーズで人気の作家、高田在子氏による新シリーズ『まんぷく旅籠 朝日屋』の新刊『なんきん餡と三角卵焼き』(中央公論新社)が発売中だ。
 同シリーズは料理をテーマにした時代小説で、旅籠「朝日屋」を舞台に、過去に痛みや悲しみ持った主人公ちはると登場人物達が再出発を果たしていくストーリー。前作『ぱりとろ秋の包み揚げ』では、美味しい料理とおもてなしを売りにした接客で、徐々に客足を伸ばしつつあった朝日屋。今作では日本橋・魚河岸の魚問屋でのいざこざをきっかけに朝日屋の板長、慎介の過去が描かれる。「てめえに売る魚なんてねえ! とっとと帰れ!」物語の鍵を握る一品は「鰺のつみれ」。ちはると慎介は仲買人を認めさせることはできるのか−−?
 また、本書には江戸ソバリエ協会(理事長/ほしひかる)が料理描写にてアドバイスを行う等協力している。作中では同協会が実施した「蕎麦屋さん&生産者さんを応援する会」にて振舞われた江戸野菜「品川カブ」の素揚げが登場する。人情溢れる物語だけではなく、詳細な描写からくる、輪郭がはっきりとした江戸の空気感が魅力の作品だ。


著者:高田在子(たかだありこ)
題名:『まんぷく旅籠 朝日屋 なんきん餡と三角卵焼き』
出版社:中央公論新社
価格:本体700円+税


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