東京・高輪にある「財団法人 味の素 食の文化センター」内の「食の文化ライブラリー」で、11月30日まで企画展示されている「錦絵に見るパロディーと食〜錦絵をもっと楽しむ〜」(入場無料)で、蕎麦にまつわる貴重な錦絵が展示されている。
錦絵には、江戸時代の世相や、当時はおおっぴらに話せなかった出来事、洒落等、現代人では簡単に読み取れない様々な情報が込められている。題材にある“パロディー”とは、異なったものを連想で結びつける「みたて」、アレンジ、なぞらえ等、幅広い趣向を意味している。音声ガイドと、展示パネルで、その絵に表された食文化とパロディーを詳細に解説しているのが同展の見所だ。
展示されている蕎麦関係の錦絵の主なものは、歌川国芳の『木曾街道六十九次之内』「守山 達磨大師」(写真)、初代歌川広重の『名所江戸百景』「虎の門外あふい坂」。
「守山 達磨大師」では、達磨大師が何枚もの『もりそば』を手繰る様子が描かれている。
「達磨大師は中国禅宗の開祖とされていて、釈迦から数えて28代目ということから、『二八』蕎麦とかけられています。また、宿場名の守山は、『もりそば』にもかかっています。まだまだ隠れたメッセージがあるのですが、一枚の絵の中にたくさんのパロディーが潜んでいるのが、錦絵の楽しさです」(味の素 食の文化センター・飯田祐史事務局長)
問い合わせ先:財団法人 味の素 食の文化センター=03-5488-7319
リンク先=http://www.syokubunka.or.jp/
(蕎麦将軍.com)