12月14日、山形大の門叶冬樹准教授らの研究グループは、1998年に福島県内の旧家の天井裏で発見され、江戸時代後期の天保年間(1830〜44年)からの蕎麦と伝えられてきた「天保そば」を、69%の確率で1812年から1919年のものだと発表した。
「天保そば」は、福島県内の横川一郎さん宅の天井裏から発見されたもの。「天保の大飢饉」を生き抜いた4代前の先祖が、非常食として子孫のために保管し、代々受け継がれてきたものだった。この蕎麦の実を、山形市内の製粉所や蕎麦屋が中心とした「天保そば保存会」が、発芽させることに成功した。「天保そば」の栽培地は、原種は絶対に他の品種と交配しないように、離島・飛島で続けられており、2005年より一般客にも数量限定で提供できる収穫量となった。現在は、約1tを収穫している。
そして、保存会が本当に天保のものと実証するために山形大学に分析を依頼、高感度加速器質量分析装置(AMS)で蕎麦の実3粒と包まれていた俵のワラを分析。炭素14の含有量で年代を特定する「放射性炭素年代測定法」によって調査した。
「天保そば保存会」幹事の金野徳彦さんは、「いい伝えや実の乾燥具合、俵の状態等から見て、まず年代に間違いはないだろうと思っていましたが、科学的に実証されたことで、ホッとしました」と話す。
「天保そば」は県内にある、「天保そば保存会」会員店13店で食べることができる。数量限定なので売り切れの場合もある。
<「天保そば」が食べられる店一覧>
▼そば屋惣右ェ門(山形市早乙女一番地、023-633-0055)
○きふね(山形市天神町68、023-684-8446)
▼伊右エ門(山形市河原田18-3、023-684-5716)
○あずまや(山形市防原町3-4、023-629-2136)
▼栄屋分店(山形市北山形2-2-54、023-643-8866)
○寿ゞ喜 総本店(「喜」は略字体、山形市宮町5-9-8、023-622-5636)
▼三百坊(山形市土坂字荒屋敷453-2、023-633-3092)
○庄司屋(山形市七日町2-7-6、023-673-9639)
▼三津屋本店(山形市上町1-1-75、023-644-4973)
○港屋(山形市和合町2-1-30、023-622-8921)
▼みねた(山形市城西町2-1-40、023-643-0252)
○第二公園山長(山形市十日町4-3-8、023-622-2963)
▼みちのく山長(山形市銅町1-6-21、023-622-3404)
(蕎麦将軍.com)